仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第43話 営業マニュアル(営業活動の考え方)を作成する上で押さえて欲しいこと
前回のコラムで、営業活動において“守・破・離”の“守”の土台構築(マニュアル化)についてお話しをさせていただきました。
すると、コンサルティング支援している会社の営業担当者から引き続き、次の質問をいただきました。
「乾先生、営業活動の考え方において“守・破・離”の“守”の土台構築(マニュアル化)について、どちらかというと分厚いマニュアルではなく、ボリュームが薄いマニュアルにされていますよね」、「それには、何か意図はあるのですか」という質問でした。
これは、鋭い質問だったので、今回のコラムにその意図を記載することにしました。
ちなみに、この営業担当者が分厚いマニュアルというには、ISO9000の品質マニュアルと比較して言われていました。
一般論として、人事考課のマニュアルになれば、薄いものでもキングファイル一冊分になっている企業が多いです。ISO9000の品質マニュアルであれば、50ページから200ページぐらいになっています。
*これからの文章で土台構築のことをマニュアルと表現させていただきます。
もし、あなたの会社で、“守・破・離”の“守”のマニュアルがあれば、何ページのものになっているでしょうか。
ちなみに、このマニュアルは、営業ツール等は含みません。あくまでも、営業活動の考え方の基本骨子の部分だけになります。
本来であれば、この基本骨子とは、どのようなものか見ていただければ良いのですが、守秘義務等ありますので、なんとか基本骨子でイメージをしていただければ幸いです。
さて、何ページになるでしょうか。
企業規模によって若干変わりますが、最小で10ページ、最大でも30ページ以内です。平均で15ページ前後の会社が多いです。これは、マイクロソフトのワードで作成したものになります。
最小の10ページで営業活動マニュアルを作成した会社には、驚きの声をいただきました。というのも、ISO9000の関連で、製造部門の製造マニュアルは、200ページにもなっていたからです。製造部門と比較すると営業部門の枚数があまりにも少なかったからです。
念のため、営業活動の考え方に最低限記載している基本骨子の目次のみ以下に記します。最低限ということは、これだけは、決めておかなければいけないと思っている項目です。
基本骨子の目次を記す前に、あなたの会社で営業活動の考え方のルールとして決めておかないといけない基本骨子の目次について、列挙もしくはイメージをしてみてください。
列挙もしくはイメージができたでしょうか。
当社が現時点で考えている、営業活動における考え方の“守・破・離”の“守”の基本骨子の目次は次の通りです。
1、 営業マニュアルの活用目的(あるいは、考え方)
2、 営業マニュアルの活用方法
3、 全社戦略および営業戦略
4、 年間売上計画(製品・顧客・担当者)及び裏付け計画(年間顧客増販シート)
5、 増販増客の施策シート(年間)
6、 顧客管理のマネジメント
7、 営業活動のプロセス管理(農耕型マーケティング)
8、 営業活動のやり方(営業戦術レベル)
9、 行動管理
10、営業会議の運営方法
です。
ただ、上記は、最低限の項目で会社によっては、上記の項目に追加項目があります。例えば、管理者のリーダーシップ、課長のフォロワーシップ、営業企画の役割と営業支援について等です。それでも、最大で15項目以内です。
でも、上記の10項目を全て書いても、最小の10ページなるということは、ひとつの項目で1ページぐらいになると思ってください。
さて、ここで、営業活動の“守・破・離”の“守”のマニュアルの考え方です。
営業活動の“守・破・離”の“守”のマニュアルのページ数は少ない方が良いのでしょうか。それとも、具体的に書いてもう少しページ数を増やした方が良いのでしょうか。
これについては、どちらでも良いです。
「えっ、言っている意味が分かりません。さんざん、営業マニュアルは、多くて30ページと言っておきながら、どちらでも良いというのは、どういうことですか」という声が聞こえてきそうですね。
当社が、営業活動の“守・破・離”の“守”のマニュアル作成で、大事にしている考え方は次の通りになります。
「環境変化の度合いがどうなっているか」ということだけです。
ここ、大事なのでもう一度、言います。
「環境変化の度合い」です。
これは、考え方なので、正解も不正解もありません。ひとつの参考例として聞いていただければ幸いです。
環境変化が大きくはなく、きっちりとルールを守らせたい場合は、マニュアルのページ数は多くなると思います。なぜなら、作業手順までしっかりと守らせた方が同じ成果が出やすいからです。
だから、製品ラインアップが3年以上更新の会社の製造マニュアルは決めることを具体的にした方が良いので、マニュアルページ数は、自ずと増えていきます。
ただ、環境変化の度合いが多い仕事については、作業レベルまで具体的に決めてしまえばどのようになるでしょうか。
そう、臨機応変に対応することができなくなります。
顧客ニーズが3年以上、全く同じであれば、営業活動も具体的なレベルまで決めることができます。
しかし、顧客ニーズは、日々変化しているのが実情です。だから、大枠の骨子を決めて、具体レベルは、抽象度をあげています。
そして、当社が大事にしている考える場づくりと考えて行動するが身についてくると、営業活動の“守・破・離”の“守”のマニュアルの具体レベルの抽象度が高くても、営業会議になれば、具体レベルで面白いアイデア等がたくさん出てきます。
逆に、営業活動の“守・破・離”の“守”のマニュアルが具体レベルまで詳細に書かれていれば、考えて行動しない人材が生まれてしまいます。営業活動は、このようにやれという命令になっているからです。
ここは、誤解しないで欲しいのですが、具体レベルは、新人の営業担当者が自分で考えるのではなく、上司のトレーニングによって、一定のレベルまで到達していただきます。(放任主義では、属人的な営業マンが育ってしまいます)
何となく、言っている意味は、理解できるでしょうか。
実際に、営業活動のマニュアルを見ていただければ早いのですが、それが出来ないのが残念です。
勘の良い方は、理解できているかもしれませんが、営業活動のマニュアルに記載しているのは、会社として押さえておくべき考え方のみを書いています。
そう、押さえておくべき考え方のみです。
考え方→営業のやり方(分かっている)→営業のやり方(出来ている)の考え方だけを明確にしているという感じです。(この詳細は、コラム32話に記載)
営業のやり方は、100万通りありますので、その環境にあった方法を選択して実施しているとう感じです。
また、話が脱線しましたので、まとめますね。
営業活動の“守・破・離”の“守”のマニュアルのページ数は、環境変化の度合いによって決まるということです。
これは、あくまでも、当社の考え方なので、正解・不正解はありません。
では、なぜ、このようなコラムをページ数を割いて書いているのか・・・。
それは、営業活動のマニュアルが分厚ければ、良いものが出来上がったと勘違いしている会社が多いように感じているからです。
営業マニュアルは、あくまでも目的を達成するためのツールです。
そう、目的を達成するためのツールです。
営業マニュアルを作ることが目的ではありません。
考える場づくりと考えて行動する人材を育成するために、営業活動のマニュアルが必要であることを当社は、クライアントにお伝えしています。
そして、日々変化がある、顧客ニーズに対応するためには、環境変化に対応できるものにする必要があります。
営業活動のマニュアルがある会社は、その目的が明確になっているでしょうか。
そして、そのマニュアルは活用されているでしょうか。
マニュアルを作って、その後は、見直しもされずにパソコンのフォルダーの中にファイルが眠っていませんか。
本コラムが、営業活動の考え方のマニュアルについて、考えるきっかけになれば幸いです。
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