仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第15回 営業マネジメントツールが機能しない理由とは
先日、セミナーを実施している時に以下の意見をいただきました。「
乾先生が説明しているA3サイズ一枚でまとめている増販増客の施策シートは、当たり前で、当社は、それよりも中期経営計画から具体的に落とし込んだ分厚い書類にまとまっていますよ、一度見に来られますか?」と自慢気に話されていました。
ちなみに、増販増客の施策シートとは、年間の売上の数値計画を活動計画に落とし込んだものを言います。当社のコンサルティングでは、この活動計画をA3にまとめ、年間の活動のシナリオ(仕掛け)として営業部門で活用しております。
質問した方は、「A3サイズの一枚でそんなに簡単で良いの、当社は中期計画から落とし込みをして数十枚にまとまっているので、そのような増販増客の施策シートは、あまり意味がないということを言っておられるようでした」
セミナーの最中だったので、その方には、「それは、素晴らしいですね、それがあれば、目標は達成しやすいですね」と答えておきました。この答えは、相手の方の自尊心を傷つけないように配慮したものです。
ただ、この参加者とのやり取りで注意しておきたいことがあります。
それは、何でしょうか?
活動計画をまとめた書類の枚数でしょうか?
具体的な行動計画の内容でしょうか?
これは、あくまでも当社の意見としてお聞きいただければと思います。
それは・・・。
A3サイズ一枚でまとめようが、数十ページの具体的なものになっていようが、当社ではどちらでも良いと認識しています。逆にページ数は愚問です。そのことをセミナー参加者に申し上げると、お怒りを買いそうだったので、申し上げませんでした。
「乾先生、そんなことは、ないでしょう。具体的であればあるほど絶対にそっちの方が良いに決まっていますよ」というお声が聞こえてきそうですね。
はい、確かに中身は重要です。それは、否定しません。でも、中身と同じぐらい大事になってくるものがあります。
それは、“ツールの目的と活用方法”です。
ここ、大事なのでもう一度、言いますね。“ツールの目的と活用方法”です。
そう、ツールは作って終わりではありません。
いくら素晴らしいツールを作成しても、ファイルに綴じたままでは意味がないということです。
前回のコラムで目的の重要性について書きました。このツールにも、目的と活用方法が大事になってきます。
この目的と活用方法が語れないとツールは無意味になります。そう、ツールを作ることが目的になってしまうと、活用されずに作って終わりになります。
素晴らしい顧客管理台帳を作成して、営業マンが誰も見ないのと同じです。
なぜ、このような当たり前のことをコラムに書いているのかとご指摘を頂くかもしれません。
ただ、多くの会社が、営業マネジメントツールを作って、そのまま終わっているのが多いためです。
ツールを作る前に、目的と活用方法を事前に決めてから、ツールを作らなければなりません。
貴社の営業部長は、営業マネジメントツールの目的と活用方法が明確になっているでしょうか。
目的と活用方法を決めずに、ツールを作ってしまうと、そのツールは機能せずに終わってしまいます。
例えば、多額の費用を使って、営業の管理システムを構築しても機能しないのは、目的と活用方法が決まっていないのにシステム会社のいいなりになって営業の管理システムを導入しているケースです。
このことから、当社が質問者に求めていたのは、中期計画からブレークダウンした活動計画のツールに加えて、その目的と活用方法をお話ししていただければ、「それは、良いツールですね」とお答えできていました。
しかし、中期計画からブレークダウンした活動計画の中身だけを力説されていたので、ちょっと違うと感じていました。
このことが分かってくると、多くの会社で実施している、営業日報については、いかがでしょうか。
営業日報の目的と活用方法が明確になっているでしょうか。
営業日報を作成することが目的になっているでしょうか。
これでは、本末転倒です。
ちなみに、私が支援している会社の営業日報の目的のひとつは、計画の立案です。
日報が1日の行動実績を記入することが目的の会社は、その場で日報を破り捨てていただいております。この目的だけだと成果が出ないので、営業日報を書く時間が無駄になるからです。
さて、貴社では、営業マネジメントツールの目的と活用方法は明確になっているでしょうか。
営業マネジメントツールを作ることが目的になっていないでしょうか。
ツールを作ることが目的に会社の行動量は少ないことが予想されます。
