仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第141話 営業進捗管理のテンプレートを活用すれば営業の売上はアップしますか
先月の当社主催セミナーの冒頭に、「今回のセミナーテーマの成約の達人シートを穴埋めすれば、当社でも若手営業マンが育ち、売上もアップするでしょうか」と営業部門の責任者の方から質問を受けました。
セミナー受講前の名刺交換の時に受けた質問でした。
まだ、他のセミナー参加者がこられていなかったので、本音ベースのお答えをさせていただきました。
「貴社の現在の営業活動に対しての考え方では、当社の成約の達人シートを使っても成果は出ません」
質問者からすれば、「貴社でも大丈夫ですよ。そのエッセンスを是非受け取ってくださいね」という答えを期待していたことでしょう。
よって、セミナー冒頭から不機嫌な顔をされた状態で、セミナーが始まりました。
そして、セミナー終了後、「乾先生の、セミナー前に言われていたことがよく分かりました。今まで、若手営業マンが育っていない理由が分かりました」と猛省されていました。
さて、この営業部門の責任者の方は、セミナー前とセミナー後に、どのような気づきがあって、このような言葉を発せられたのでしょうか。
まずは、どのような気づきがあったのかを話す前に、このコラムを始めて読まれる方もいるかもしれないので、成約の達人シートとは、どのようなものかを簡単に説明します。
以下の図から成約の達人は、16個のシートで構成をされています。
この図だけだと、何を意味するのか分からないと思いますので、簡単な説明をさせていただきます。
営業戦略(1年間の狭義)と営業戦術を同時推進するために、部下と情報を共有化して営業進捗確認を行うために見える化をしたツールを成約の達人と読んでいます。
もう少し、噛み砕いて、説明すると、
1、どんな仕掛けで(仕掛ける営業)
2、どの顧客に対して
3、どの製品・サービスを
4、どのタイミングで
5、どんな顧客価値提案を
6、どのような伝え方で成約をするのか
7、そして、1〜6のマネジメントの進捗確認をどのようにして行うのか
を口頭レベルではなく、紙レベル(もしくは営業管理システムのアウトプット)で具体化したものを言います。
言語化すれば、ものすごくシンプルですが、案外、1のどんな仕掛け(仕掛ける営業)を可視化したものが無い会社が多いです。
可視化したものがないのに、仕掛ける営業を連呼したところで、単なる言葉遊びのスローガン経営になっています。
コラム読者の会社は、大丈夫かと思いますが、上記の1〜7について、可視化したツールはどのようなものがあるのかをチェックしていただければと思います。
ちなみに、当社の成約の達人シートでは、
1、どんな仕掛けで(攻めの営業)→増販増客の施策シート
2、どの顧客に対して→年間顧客の増販シート、情報見込みシート
3、どの製品・サービスを→年間顧客の増販シート、農耕型マーケティングシート
4、どのタイミングで→年間顧客の増販シート
5、どんな顧客価値提案を→製品別提供価値シート
6、どのような伝え方で成約をするのか→質問形式の営業トークシート
7、そして、1〜6のマネジメントの進捗確認をどのようにして行うのか
→売上計画の裏付けと進捗、顧客別行動管理シート
が、該当します。(後、これに付随して、種まきチラシと提案書も作成します)
上記のシートを活用することで、営業マンの情報の使い方と時間の使い方が格段的にアップします。
勘の良い人は気付かれると思いますが、トップセールマンとダメ営業マンの大きな違いは、情報の使い方と時間の使い方になります。
情報の使い方と時間の使い方をマスターすれば、営業マンの営業成績は飛躍的にアップします。
しかし、多くの会社では、情報の使い方と時間の使い方に焦点が当たらず、営業トークや営業ツールの小手先のテクニックに走り、結果、属人的な営業に戻っていたりします。(営業戦略が構築されていても営業戦術がなく、単なる方針だけの空回りな営業活動の場合もあります)
少し、話が脱線しましたが、本題に戻します。情報の使い方と時間の使い方についての詳細は、時期を見て別のコラムで記載します。
さて、上記の成約の達人のシートを見る限り、シートなので、穴埋めをすれば、売上はアップするように感じるかもしれません。
しかし、ここで押さえて欲しいのは、シートを活用するための考え方になります。
そう、このコラムでは、再三登場している「考え方」です。
この「考え方」をどのように持つかで、成約の達人のシートの活用において大きな成果の差が生まれてしまいます。
では、どのような考え方を持てば良いのか・・・。
下の図を見てください。
この図の言わんとすることは理解できるでしょうか。
穴埋め式で簡単に成果が出るという考え方では、瞬間風速の短期的な売上アップしか見込むことができません。(短期的な成果だけを求めるのであれば、これでも良いのですが・・・)
「考える場づくり」を作るためという考え方を持っていれば、長期的な成果までを見込むことができます。
当社のコンサルティングのコンセプトとして、「自立型の考えて行動する人材の育成」があります。
考えて行動する人材を育成するには、考える場が必須になります。
考える場も、単に「何かを考えろ」だけの掛け声だけでは、物事が前に進むことはありません。
いくら前向きのプラス思考になったとしても、考える場を促進させるきっかけがなければ物事が前に進まないからです。
これは、単純に当社のコンサルの力不足なのですが、本来は、従業員がやる気になって、プラス思考になり、“やるぞ”の空気感が出来上がれば、成果は出るように感じますが、当社がコンサルに入った現場では、“やるぞ”の空気感ができても、行動が空回りして、成果につながらずに結果、空気感も悪くなったりしていました。
この試行錯誤の結果、当社のコンサルの実力不足を解消するために、生まれたのが成約の達人シートです。
このシートを活用することで、抽象度の高かった営業活動が具体的な行動に変わり、「考える場」の意見交換が活発になったことは言うまでもありません。
なぜなら、共通認識できるものを見える化できているので、営業会議は具体的な議論になります。単なる口頭だけでは、共通認識ができず、曖昧な掛け声のスローガンで終わり、結果、行動が不明確なまま営業会議が終わっています。
さて、あなたの会社では、「考える場づくり」を活性化させるために、何らかの工夫はしているでしょうか。
当社では、成約の達人シートの活用による工夫をしておりますが、「考える場づくり」を活性化することができれば、何でも良いと思っています。成約の達人シートにこだわりはありません。
活性化のポイントは、曖昧を具体にすることだったりします。(明確さは力なり)
