仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第96話 営業トーク(セールストーク)研修を若手営業マンに参加させてはいけない理由とは
この3月に当社のホームページを見た3社から、同じお問い合わせがありました。その内容は、次の通りでした。
「若手の営業マンが、思った以上に営業成績が伸びていない。御社のホームページを見ると若手営業担当者の成績を伸ばす取組項目として、質問形式の営業トークが書いてあったので、質問形式の営業トークの研修をお願いすることは可能なのか・・・」
この時期に3社から同じようなお問い合わせがあることが珍しいのですが、結果として、この3社には訪問せずに、電話の段階でお断りをしました。
3年前の当社であれば、「分かりました。では、一度、お伺いして、どのような研修が貴社に合うのか相談させてください」と伝えて喜んで訪問をしていました。(まずは、研修の受注は取れそうなので・・・)
「また、上から目線で、高飛車になっていますね」という声が聞こえてきそうですね。
誤解のないようにお伝えしておきますが、当社のコンサルティングのコンセプトに合わなかったから、お断りしただけです。
そのコンセプトとは、短期的な瞬間風速を出すための支援になるのか、長期的な視点を踏まえた上での支援になるかの違いです。
今回の例では、短期的な瞬間風速を吹かせることは、可能な内容でしたが、長期的な売上増加の見込みは厳しいことが3社とも予測が出来たので、お断りをしました。
当然、お断りした理由も提示しており、その取り組みを実施する段階で、再度、ご連絡くださいという旨もお伝えしております。(3社とも緊急の用件みたいで、当社には、連絡は入らないと思います。恐らく、断られることを予期していなかったと思いますので・・・)
では、何が原因で質問形式の営業トークの研修依頼を断ったのか・・・。
本日は、その真意をこのコラムで話をします。
ただ、これは、当社の考え方なので、正解・不正解を言っているのではありません。あくまでも考え方なので、このような視点もあるのだなという感じで聞いていただければ嬉しいです。
では、研修依頼をいただいた時の電話のやり取りを簡潔に記します。(本当は、もっと色々と話はしていますが、書面の都合上、簡潔にしています)
お客様:「当社の若手営業マンの育成には、自社製品を上手く伝える営業トークの習得が不可欠だと思っています。現在、営業トークの研修を実施しているコンサルティング機関を探しており、貴社のコラムをたまたま読んで、そのような研修が可能であるかを問い合わせさせていただきました」
当社:「ありがとうございます。セールストークの営業研修のお問い合わせで良かったでしょうか。ひとつお伺いさせていただきたいのですが、今回、何故、セールストークの営業研修を実施したいと思い、数あるコンサルティング会社の中から当社に問い合わせをいただいたのですか・・・」
省略(営業トークの研修の動機と当社を選んだ理由を始めにヒアリングを行っています)
当社:「なるほど、よく分かりました。ありがとうございます。では、貴社の現状をもう少し知りたいので、質問をさせてもらってよろしいでしょうか。(質問の許可を取っています)貴社のお客様に提供する価値を具体的に見える化したものはありますか」
お客様:「会社案内と製品カタログはありますが・・・」
当社:「会社案内と製品カタログに記載している提供価値は、製品視点ではなく、顧客視点の価値になっているでしょうか」
お客様:「製品視点と顧客視点の違いとはどのようなことを言われているのでしょうか」
省略(製品視点と顧客視点の違いについて、例を挙げて説明しています)
当社:「では、今は、どちらかというと製品視点の価値になっているようですね。では、その製品の価値は、お客様の悩み・願望とどのように繋がっているのか見える化したものはありますか」
お客様:「お客様の悩み・願望との繋がりと言っている、意味がわからないのですが・・・」
省略(お客様の悩み・願望との繋がりについて例を挙げて説明。また、悩みと願望の違いについても説明。悩みと願望の違いを理解していなければ、お客様の理解にはならないため・・・)
当社:「現在の所、その提供価値は、お客様の悩みと願望の繋がりを見える化したものはなく、属人的な営業組織になっているかも知れませんね・・・」
お客様;「おっしゃる通りです。お恥ずかしい限りです」
当社:「ご安心ください。多くの会社がそんな感じです。では、最後に、その価値は、具体的な事例(できれば数値化)を見える化したツールはありますか」
お客様:「担当者に任せているので、ケースバイケースが実情だと思います」
当社:「ケースバイケースですか・・・。ということは、組織ノウハウにはなっていないということですね」
お客様:「お恥ずかしい限りです・・・」
今回お問い合わせいただいた、3社のやり取りは、だいたい上記のような感じでした。
実は、この電話のやり取りで、お問い合わせいただいた会社にあることを気づいていただきたくて、回りくどく上記のような質問をしていました。
それは、何かと言うと、営業トークを習得する前に押さえておいて欲しい項目です。
この項目を押さえて、営業トークを習得するのと、しないのとでは、大きな差が生まれてしまうからです。
そう、習得をしていなければ、短期的な瞬間風速、習得をしていれば、長期的な売上見込みになるからです。
今から3年前の当社であれば、短期的な成果がコンサルティングのコンセプトであったため、今回のお問い合わせがあれば、100%の確率で研修の提案を実施していました。
なぜなら、セールストークのああ言えば、こう言う、このような質問をすれば、需要喚起ができる等、私が30代の時のコンサルティングの経験が最も活かせる瞬間だからです。
でも、現在は、3年前からのコンサルティングのコンセプトが変わっているので、敢えて、私の得意分野を全面に押し出すことを封印しています。
話が脱線しそうなので、元に戻します。
では、営業トークを習得する前に、何を習得しておかなければいけないのか。
このコラムでも、何回かは話をしています。
当社のクラインアントは大丈夫でしょうか。当社のクライアントで答えられないとしたら、分かったつもりで終わっている典型例であることを反省してください。
営業トークを習得する前に、習得しておくべきことは、顧客情報と顧客価値になります。
そして、その重要度のウェイトは、
1、顧客を知る→顧客情報 4割
2、製品(サービス)の理解→顧客価値 4割
3、伝え方→質問形式の営業トーク 2割 でしたよね。覚えています・・・。
営業トークの伝え方は2割なので、その前の顧客を知ると製品の理解をしっかりやるだけでも売上が上がったりします。
そう、重要度の8割を占めているからです。2割の営業トークの改善よりも、重要度の8割を占めている顧客情報と顧客価値に取り組んだ方が成果が出やすいためです。
例えば、顧客情報の訪問タイミングが分かるだけでも、売上がアップします。
営業トークの伝え方を習得しても訪問タイミングが良くなければ、決まるものも決まりません。当たり前のことですよね。(競合が見積もり提出した後に訪問をしていたり、初回訪問と2回目訪問の感覚が空きすぎていたり等・・・)
この顧客情報と顧客価値を押さえた上で、営業トークの改善を行うと、かなりの相乗効果が見込めます。しかし、顧客情報と顧客価値の改善なしに営業トークのみの改善を行うと短期的な瞬間風速で終わりやすいです。(当社の経験則なので、他社のコンサルティング機関が実施すれば違うかもしれません・・・)
今日のコラムも長文になりましたので、次回のコラムでは、特別に上記の3つの何を見える化をすれば売上が上がるのかをお伝えします。
入社3年目から10年目までの若手営業担当者に、上記の3つを見える化をして、実践をしていただければ、平均昨年対比120%以上はアップしています。(平均なので、110%の人もいれば、180%の人もいます。ある会社10名の平均は150%でした)
まあ、これだけ伸びるということは、コンサルタントが凄いのではなく、分かったつもりで出来ていないことが多くあったというだけです。
もし、あなたの会社も小手先の営業トークだけで、上記の3つに取り組んでいなければ、売上アップのチャンスです。
参考までに、上記の3つを図に示したものを以下に記します。
しつこいですが、次回は、この図の何を見える化をして取り組めば、若手の営業マンの営業成績が簡単にアップするのかについて話します。
あなたの会社は、営業トークを何とかすれば、売上が上がると思い込んでいますか?
営業トーク以前の問題である会社が多いように当社は感じております。
