指示待ち社員を自立型社員に変貌させる誰でも成約達人への道-第169話 営業の顧客情報管理で、分かっているようで分かっていないこと

「当社は、顧客管理システム(CRM)を導入しているので、顧客情報管理は、機能していますよ」と言われている中堅企業の経営幹部にお会いする機会がありました。
顧客管理システム(CRM)が導入されていれば、顧客管理はできているという認識でした。
ただ、当社の認識では、顧客管理システム(CRM)の導入によって、顧客情報管理ができていそうで、できていない会社が多いように感じています。
そう、できているつもりで終わっている状態です。この、つもりが曲者です。
今回のコラムは、少し難しい内容になります。
よって、当社の既存クライアント向けのメッセージとして、コラムを書いていきますので、顧客情報管理ができているつもりになっていないかセルフチェックをしてみてください。
当社のクライアントではない方は、着眼点の参考にしていただければ幸いです。
まず、顧客情報管理の流れの確認です。
収集→蓄積→活用の3ステップです。本当はもう少し、複雑なのですが、分かりやすくするために、3ステップにしています。
まず、この3ステップが機能しているかをチェックしてみてください。
機能しているでしょうか。
では、収集が機能しているかの確認です。
収集には、2つあります。顧客データと顧客情報です。まず、この違いが理解できていないと、収集は機能していません。
顧客データは、人間の対話を介さなくても収集できる情報です。顧客情報は、人間の対話を介して収集できる情報です。キーワードは、人間との対話です。
そうすると、人間の対話を通じて習得する情報は、何なのかを明確にする必要があります。
これが企業ノウハウになります。でも、これが案外、個人まかせの属人的になっていて、組織対応できていなかったりします。
組織対応できている会社は、顧客情報収集の話法のやり方まで、教育・訓練ができています。
このちょっとした微差が、売れる営業組織になるか、属人的営業の組織になるかの分かれ目だったりします。
次に蓄積です。
蓄積は、顧客管理システム(CRM)を勧めています。日報から吸い上げた、顧客情報を自動的に顧客管理システム(CRM)に落とし込むイメージです。
顧客管理システム(CRM)がない場合は、更新管理は大変になりますが、エクセルでも良いでしょう。
ただ、絶対に避けたいのは、営業スタッフの手帳や頭の中に蓄積されることだけは、避けておきたいです。
この状態では、売れる営業組織にはなることは、できないからです。
最後に活用です。
ここでは、情報見込みシート(情報見込みリスト)の有無を確認しています。
情報見込みシートがあれば、顧客情報は活用されているからです。
逆に情報見込みシートが無ければ、顧客情報管理は、収集→蓄積→活用の蓄積止まりで終わっているので、機能はしていません。
情報見込みシートという言葉を初めて聞かれる方もいるかも知れないので、簡単に説明しておきます。
多くの会社では、顧客情報を1社に対して、A4の紙に3〜4ページほどにまとめられています。ページ数が多くなるのは、顧客情報の属性情報が多くなるからです。
営業活動の度に、この顧客情報を探して、閲覧して確認をしようものなら、時間のロスと面倒くささから閲覧をしないようになります。
その結果、顧客情報は、活用されず、パソコンの中に保管だけされている状態で終わっています。
あなたの会社では、どうでしょうか。
この活用されていない状態を避けるために、A4の紙に15〜20社の情報を閲覧できる、情報見込みシートを作成していただいています。
当然、この情報見込みシートに記載されている情報は、営業活動に必要な情報のみが記載されていなければいけません。
では、ここで、質問です。
もし、あなたの会社で、情報見込みシートがあるとしたら、どのような顧客情報を載せる必要があるでしょうか。
当然、この答えに正解・不正解はありません。
即答できなければ、顧客情報の重要性が、分かったつもりになっているというのが分かります。
そして、営業リーダーと営業スタッフの答えが違えば、組織対応ができていない属人的な営業スタイルであることも分かります。
上記は、たったひとつの質問ですが、貴社の営業の取り組みが分かってしまいますので、経営者の方は、営業幹部の方に質問をすることをお勧めします。
では、当社の考え方を紹介します。
当社が推薦している、情報見込みシートに記載する顧客情報は次の2つです。
・訪問すべき顧客なのかと訪問タイミングがわかる情報
・潜在見込み客を発掘できる情報
特に重要にしているのが、「潜在見込み客を発掘できる情報」です。
顕在見込みは、今すぐ客なので、顧客から問い合わせがあります。
ただ、顧客から問い合わせがあるということは、ニーズが顕在化した状態なので、価格競争に巻き込まれやすいです。
釈迦に説法ですが、価格競争に巻き込まれにくいのは、潜在見込み客の発掘です。
では、潜在見込み客を発掘するためには、どのような顧客情報を事前に押さえておかなければいけないのか・・・。
これが最大の企業ノウハウです。
この最大の企業ノウハウに真剣に向き合っている会社は、顧客情報収集のための話法も営業マニュアルに落とし込みをされています。
そう、若手でもできるようにするためです。
でも、案外、潜在見込み客を発掘するための顧客情報が、営業スタッフごとの暗黙知になっていたりします。
この暗黙知を形式知にするだけで、そのうち客の成約率は飛躍的に向上します。
そして、形式知になれば、顧客情報の収集の中身も変わってきます。
そのうち客と今すぐ客の言葉を始めて聞かれた方は、文末にそのうち客と今すぐ客の違いの図を記載しておきますので、ご確認ください。
では、最後にまとめます。
顧客情報管理の流れとして、収集→蓄積→活用の3ステップがあります。あなたの会社では、この3つが、分かったつもりではなく、できているになっているでしょうか。
ひとつずつ確認をすることをお勧めします。
これが、できている状態の時に、顧客管理システム(CRM)は最大の効果を発揮します。
ただ、できていない状態の時に、顧客管理システム(CRM)を導入しても、無駄金の垂れ流しです。
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