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代表 乾切抜き “今いる営業マンと既存商品で売上を倍増させる”6ヶ月増販増客の仕組み構築法とは!-第93話 トップセールスマンの上司が部下をダメにしてしまう理由とは

前回の上司が部下の壁になるというコラムを読んだ方から何通かのメールをいただきました。

 

メールの内容は、自分が壁になっているようでなっていなかった、部下への行動指示があいまいだったので、部下の行動があいまいになっていたのは自分の責任であることに気づいた等です。

 

前回のコラム内容から、ここまで自己反省が出来るのは、さすがだと思いました。なぜなら、大抵、このようなコラムを読むと、自分ごとではなく、他人ごとにしているか、自分の非を他責にしているかのどちらかに該当するからです。

 

念のため、前回のコラムに掲載した、上司が部下の壁になっている図を以下に記しますね。

前回のコラムで気づきを得た方も多かったので、今日のコラムは、上記の図を使って違う観点のお話をしますね。

 

これは、トップセールスマンだった人が上司になった時に陥りやすい傾向です。

 

ちなみに、これは、あくまでも傾向なので、該当しない方もおられます。当方が現在支援している会社の営業本部長は、トップセールスマンでしたが、この傾向には該当していませんでした。

 

ただ、今回お話しする内容は、よくある光景に間違いはありませんので、あなたの会社でもそのようなことが起こっていないかセルフチェックをお勧めします。

 

では、どのような傾向があるのか・・・。

 

あなたの考えは、何だと思われますか・・・。

 

ある会社の部下指導におけるワンシーンを例に挙げて説明しますね。

 

【部下指導のワンシーン その1】

部長:今月の目標達成まであと少しだな。A君の今月の見込み金額はいくらあるのかね。

 

A君:今月の見込みは、大口見込みのS社があります。提案までは、出来ているのですが、最後の詰めがなかなか難しくて・・・。最終決済の部長とは初対面になるので、なかなか上手く話せなくて、どうすれば良いか悩んでいるところです。

 

部長:そうか、そのS社の見込みが決まれば、今月の目標達成は確実だな。逆に、年間目標にも近づけるので、絶対決めないといけないな。よし、俺が一緒に同行して、その案件を決めてやろう。

 

A君:ありがとうございます。是非、お願いいたします。

 

部長:任しておけ!

 

まあ、上記の会話はどの会社でもよく起こっている会話です。上記の会話にも多少の問題点はありますが、致命傷はありません。

 

実は、次の会話に致命傷があります。では、引き続き、上司とA君の会話です。

 

【部下指導のワンシーン その2】

部下:部長、ありがとうございました。部長に同行していただいたので、成約することが出来ました。部長の営業トークはさすがですね。同行させていただいて、営業とは何が分かったような気がします。

 

部長:まあ、相手もなかなか手強かったけど、俺の今までの経験からすれば、余裕だよ。やっぱり、このような大型案件は、俺が最後決めないといけないな。

 

A君:そうだと思います。やはり、部長が最後、ビシッと決めていただければ、営業部としてもモチベーションが上がりますよ。

 

部長:おいおい、俺をおだてても、何も出ないぞ。まあ、しばらくは、大型案件については、俺がしっかりと決めていこうか。

 

A君:はい。是非お願いいたします。頼りにしています。

 

コラム読者の方に気づいていただくために、あえて、分かりやすい表現で部下指導のワンシーンを表現してみました。

 

さあ、致命傷は何でしょうか。お分かりですよね。

 

そう、部下のクロージングが上手くできていないという壁は認識していますが、その壁を部下に乗り越えさせるのではなく、上司が壁を取り払って、上司が対処しているということです。

 

簡単に言うと、部下の壁を上司が処理をしているということです。

 

百歩譲って全て上司が対応したとしても、上司が部下の成長を願って、まずは、自分がやったことを部下に振り返りをさせて、今の部下に何が足りていない項目があるのかを気付かせ、その気付きをいつ実践するのか行動予定日を決めていれば問題はないかと思います。

 

上記の例で言えば、部下の成長ではなく、単純に上司の自己自慢で終わっています。

 

そう、自己自慢です。

 

上司の、「どうだ、俺ってすごいだろう、やっぱりセールスで決めることが出来るのは俺だろ」という心の声が聞こえてきます。

 

そして、部下も上司の機嫌を取るように、「凄いですね、勉強になります」と言っていますが、何の勉強になっているのかさっぱり分かりません。

 

恐らく、この部下は、自分が困った時は、上司を上手くおだてれば、自分が、ぶち当たっている壁を上司が代わりにやってくれるということを学習しているはずです。

 

こんな、光景はあなたの会社でも起こっていませんか。

 

もし、起こっているとすれば、何故、トップセールスマンの上司は、部下の代わりに自分が行動をするのでしょうか。

 

営業目標を達成させたい責任感からでしょうか。

 

当方の経験則では、そうではないと思っています。単純に部下の指導力がないだけです。

 

では、どのような指導力が無いのか。

 

答えは、部下の壁の乗り越え方を具体的に行動レベルまで、落とし込むという指導力です。でも、このことをもの凄く面倒くさがってやろうとはしていません。結果的に面倒くさいので、自分がやったほうが早いため自分がやっています。

 

そして、トップセールスマンの上司が良く言う言葉があります。

 

「部下の◯◯とは、話が良く合って、指導がしやすいのだが、部下の◯◯は、なぜか話が合わず、指導がしにくいな・・・」

 

トップセールスマンの方の話の合う方は、恐らくセールスが出来る方か、セールスのセンスを持っている方になります。セールスが出来る方には、具体的な指導をせずにあいまいな表現でも伝わります。

 

例をあげれば、元巨人の長嶋監督が、松井秀喜選手が入団した時に、バッティングのスイングの音で良し悪しを判断していたそうです。今のスイングのビュッは、ちょっと違うなという感じです。これは、天才と天才だから通ずる会話で、凡人の選手には理解できないと思います。

 

よって、凡人には、具体的な行動レベルの指導が必要になります。なぜなら、どのような行動が成果につながりやすいのかという成功体験を積む必要があるからです。

 

でも、トップセールマンの上司の方は、このことに気付かれずに、自分の感性に合う方だけを可愛がったりします。

 

具体的に指導するという責任を放棄して、できない部下があたかも悪いように仕立て上げている感じです。

 

具体的に指導して、部下の成長を応援していても、中には上手くできない部下もおられます。それは、その方が営業職という仕事が向いていなかっただけになります。

 

ただ、具体的な指導もせずに、感性だけで、部下の能力の可否を判断するのは、ちょっと間違っているのかなとも思ったりします。そして、感性だけで、部下を営業職から多部署へ移動させていれば、本末転倒です。

 

多くの会社では、トップセールスマンの方が重要役職につくことが多いと思います。ただ、その方が、部下がぶち当たっている壁の乗り越え方を具体的な指導ではなく、自分の感性や、代わりに自分が行動するということを永遠に行っている限り、部下の成長は間違いなくありません。

 

セールスマン研修で、部下がいくら営業の知識を習得しても、壁を乗り越えない限り成長はないからです。このことを理解せずに、総務部門が営業部門に対して、年間の営業研修等を企画していれば、目も当てられせん。

 

あなたの会社では、上司が本当に部下のぶち当たっている壁を認識して、その乗り越え方を支援するという姿勢は持てているでしょうか。

 

この考え方がない限り、営業社員を新卒採用もしくは中途採用を繰り返しても同じことが起こります。宝くじのように、センスの良い方に出会うまで、採用を繰り返し行うという覚悟があれば良いのですが・・・。

 

ただ、10人中9人は凡人であるということを忘れずに・・・。

 

凡人をいかに成長させる仕組みを持っているか、持っていないかが成長の分かれ目にもなったりします。